皆さん、一度はヤモリを見たことがあると思います。
日本に分布するヤモリは1種類だけだと思っていませんか。
そんなヤモリについて色々紹介していきます。
ニホンヤモリ
Gekko japonicus
国内分布域:本州、四国、九州
国外分布域:中国東部、朝鮮半島
説明:日本で一番多く見られるヤモリです。
ほとんどの人が本種しか見たことがないと思います。
本州で民家で見られるヤモリはほぼ全て本種です。
種小名は日本にちなんではいますが、大陸からの移入種と考えられています。
移入時期は非常に古く、平安時代には既に定着していたと考えられています。
その影響か、自然度の高い場所ではあまり見られず、
民家などの人工建造物で多く見られます。
国内の分布域について、北海道には寒さの影響か分布していないとされています。
本州ではほぼ全域に分布しています。
一部地域にタワヤモリがいますがその個体数は非常に少なく、殆どがニホンヤモリと言っても過言ではないでしょう。
九州では様々なヤモリが確認されています。
ニホンヤモリも分布しますが、そのほとんどが形態がやや異なります。
四国ではタワヤモリが多く見られますが人工建造物では主にニホンヤモリが見受けられます。大陸では朝鮮半島と中国東部に分布するとされています。
本土のニホンヤモリ
地域:本州、四国
説明:一般的なニホンヤモリです。
中国大陸のニホンヤモリもよく似ています。
岐阜県血統
九州のニホンヤモリ(大型鱗有)
地域:九州本土、対馬
説明:対馬を含む九州地方に分布するニホンヤモリはやや形態が異なります。
その中でも2タイプ存在し、一番多いのがこのタイプ。
通常ニホンヤモリの体表には基礎となる小型の鱗に加え、
大型の鱗が散在します。
その特徴を持ちながら、体形ががっちりとしており、首が太いタイプです。
体表や模様は大差なく、体形がやや異なる九州型のニホンヤモリ。
大変興味深いですね。
熊本県天草市血統
九州のニホンヤモリ(大型鱗無)
地域:九州一部地域
説明:九州のニホンヤモリが本州のニホンヤモリとやや異なることは先述しましたが、
九州にニホンヤモリの中に、大型鱗が存在しないヤモリが確認されています。
模様はニホンヤモリですが体表の様子が異なります。
これはニホンヤモリと同種で良いのかが疑問視されます。
ニシヤモリ
Gekko sp.
分布域:九州本土西部、五島列島、平戸島、男女群島
説明:九州西部には、明らかにニホンヤモリと異なるヤモリが存在しています。
主に海岸の岩場に生息しており、在来の種類であることが示唆されます。
ニホンヤモリより数センチ大型になり、
主に海岸の岩場に生息しており、在来の種類であることが示唆されます。
ニホンヤモリより数センチ大型になり、
腹側が黄色になることから容易に判別は可能です。
分布域が比較的局所的であるので乱獲は阻止したいところです。
大型鱗が散在します。
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タワヤモリ
Gekko tawaensis
分布域:四国、瀬戸内海周辺の本州及び九州
説明:主に四国に分布するヤモリです。
和名及び種小名は香川県多和村にちなみます。
四国から流れ着いたのか、瀬戸内海周辺の本州及び九州にも分布しています。
四国にはニホンヤモリも分布していますがニホンヤモリは比較的人工建造物に生息しているのに対し、本種タワヤモリは自然度の高い、山などに生息しています。
ある程度の棲み分けはありそうですが、山にある神社などでは混在していることも確認されています。
ニホンヤモリと異なり、体表には大型鱗が存在しません。
また、尻尾の付け根にニホンヤモリはW字の黒線模様が入るのに対し、
本種は入らないという模様の差もあります。
顔付きなどもやや異なりますね。私が個人的に大好きなヤモリです。
四国ではトビハミと呼ばれており、ハミ=マムシが指すように、有毒生物とされていた様です。勿論毒はありません。広島ではヒチブジャなどと呼ばれており、こちらも有毒生物と思われていた様です。なぜでしょうね... 本種も分布域が比較的局所的であるので乱獲は厳禁。
香川県血統
ヤクヤモリ
Gekko yakuensis
分布域:鹿児島県、長崎県、種子島、馬毛島、屋久島
説明:九州に点々と、その周辺島まで分布する在来種。
和名及び種小名は分布域 屋久島にちなみます。
体長はニホンヤモリよりやや大きい個体が多いものの、
体長に関しては大差はない感じがします。
ニホンヤモリ同様、大型鱗が散在します。
こちらも在来種らしく自然度の高い場所に生息し、
主に海岸周辺の山などに生息しています。
絶滅危惧II類に指定されており、乱獲は厳禁。
九州南部から大隅諸島にかけて分布するヤモリは本種ヤクヤモリと後述ミナミヤモリなのですが、殆どの島ではどちらか一種のみが生息しているようです。
但し屋久島では本種及びミナミヤモリ両種共に確認されています。
交雑個体も知られています。
両種の形態的差は間鼻板と尻尾の大型鱗で、間鼻板はヤクヤモリはその後ろの鱗より大きくミナミヤモリは同等。
尻尾の大型鱗はヤクヤモリは尻尾先端まで散在し、ミナミヤモリは少なく、無いか基部にのみ存在します。
体色も異なり、ヤクヤモリは体表に黄色い斑模様が確認できると思います。但しヤモリは体色の変化が激しい為、注意が必要。
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ミナミヤモリ
Gekko yakuensis
国内在来分布域:九州本土南部、大隅諸島、南西諸島
国内移入分布域:大隅諸島、五島列島、壱岐島、平戸島、高知県、和歌山県、三重県、伊豆諸島、静岡県本土、神奈川県
国外分布域:中国東部、台湾
説明:中国東部に分布しているヤモリで、日本の個体は全て古い時代の移入と言う人もいますが、一応九州本土南部と琉球列島、大隅諸島一部島においては在来種扱いをします。
一方、大隅諸島一部島や五島列島、壱岐島、平戸島、高知県、和歌山県、三重県、伊豆諸島、静岡県本土、神奈川県には比較的近年移入されたと考えられています。
九州西部のニシヤモリと沖縄諸島のオキナワヤモリ、与那国島のヨナグニヤモリなどは本種の隠蔽種と考えられ、その他宝島のタカラヤモリや奄美大島と子宝島のアマミヤモリは元々本種の隠蔽種でした。
沖縄諸島では非常に多く見られるヤモリで、人工建造物から自然度の高い場所まで広く生息しています。
本来ニホンヤモリの亜種として記載された本種ですが現在は独立種です。
ニホンヤモリと比較的近いグループで、現在はJaponigekko亜属とされることがあります。種小名hokouは中国鞍山市に由来します。体表には大型鱗が散在します。
沖縄諸島その他のミナミヤモリ
地域:九州南部~沖縄諸島、その他移入地域
説明:一般的なミナミヤモリです。灰色の体色です。
沖縄島血統
大東諸島のミナミヤモリ
地域:大東諸島
説明:大東諸島のミナミヤモリは体色が一般的なミナミヤモリと異なり、赤茶色基調に苔を纏ったような色になります。模様や体形などは全てミナミヤモリと一緒です。
南大東島血統
八重山諸島のミナミヤモリ
地域:八重山諸島
説明:沖縄諸島と同じ体色のミナミヤモリも多いですが、各離島によって体色が異なる場合があります。例えば石垣島では沖縄本島の個体群と大差がない見た目をしておりますが
下の小浜島のミナミヤモリはかなりかわった体色をしております。
小浜島にて
ヨナグニヤモリ
Gekko sp.
分布域:与那国島
説明:与那国島に分布するミナミヤモリ型隠蔽種。
与那国島には一般的なミナミヤモリも存在し、海岸に近い場所にミナミヤモリ、山にヨナグニヤモリの様な感じでおおまかに棲み分けがされているとされています。
一部混在地域はあるようですが。
本種はミナミヤモリに比べ吻端部が長く、鱗の配置も異なります。
模様や色はそこまで大差がないので判別は非常に難しい方であると言えます。
与那国島血統
オキナワヤモリ
Gekko sp.
分布域:沖縄島北部、伊平屋島、伊是名島、水納島、渡名喜島、久米島
説明:沖縄島北部及び伊平屋島、久米島に分布するヤモリで、ミナミヤモリ型隠蔽種。
実は中国南部在来の某種類に非常に似ているという意見があったりしましたが真相は知りません。
分布域の島ではミナミヤモリも分布しますがある程度の棲み分けは為されています。
久米島では沿岸部にミナミヤモリ、山間部にオキナワヤモリといった感じで、与那国島でのミナミヤモリ/ヨナグニヤモリのパターンと同じです。
沖縄島では南部~中部ではミナミヤモリばかり見られるのに対し、北部ではオキナワヤモリばかりです。但し沖縄島では両種の混在地域が広いです。
ミナミヤモリとの違いは、体色が濃い時に腹全体に現れる斑模様と背中中心の模様、紫色の舌であるところです。
但し舌を確認することは難しく、体色が薄い際には判別は非常に困難と言えます。
オキナワヤモリ 紫色の舌
体表には大型鱗が散在します。
オキナワヤモリは腹にはっきりとした黒い斑模様が見受けられます。ミナミヤモリでは腹側は模様がなく白いです。
但し、個体によっては斑模様が出るミナミヤモリもいます。南大東島産ミナミヤモリに関しては側面に近い部分にはっきりとした斑模様、そして腹中央付近に少量の薄い斑模様が見られます。但し全体にはっきりとした斑模様が出るオキナワヤモリとはやや異なります。
ミナミヤモリの斑模様の限界はこれくらいだと思います。
オキナワヤモリ ミナミヤモリ
オキナワヤモリとミナミヤモリも地域によってはそれが当てはまります。
オキナワヤモリ 左:オス 右:メス
オキナワヤモリ ミナミヤモリ
沖縄島のオキナワヤモリ
地域:沖縄島
説明:昔からオキナワヤモリと呼ばれていた個体群。ミナミヤモリと非常によく似ています。
沖縄島血統 幼体
伊平屋島のオキナワヤモリ(イヘヤヤモリ)
地域:伊平屋島
説明:沖縄島のオキナワヤモリの体色は沖縄島のミナミヤモリと非常に似ており、やや緑がかった感じである一方、伊平屋島のオキナワヤモリは大東諸島のミナミヤモリに似た体色をしており、基調が赤茶色系でオスは体色が非常に濃い個体が多いです。メスは茶色と黄土色の斑模様のような感じの個体が多いように感じます。
久米島のオキナワヤモリ(クメヤモリ)
地域:久米島
説明:久米島の個体群は元々クメヤモリと呼ばれていた個体群で、
明らかにミナミヤモリと異なります。基調が黄土色でオスはメスより体色が濃く、メスは模様がほぼ消失しているような感じです。
オスと同じ環境で飼育していても体色が濃くなることが少ないように感じます。
久米島血統
アマミヤモリ
Gekko vertebralis
分布域:奄美大島、加計呂麻島、与路島、請島、徳之島、小宝島
説明:昔から小宝島で分布が確認されており、コダカラヤモリと呼ばれていました。
元々ミナミヤモリ型隠蔽種で、奄美諸島の個体群と共に独立しました。
種小名は背側中央の暗色斑点模様が椎骨(vertebral)のような模様になっていることに由来します。
奄美大島の個体も子宝島の個体も大差はないですが、体色は個体差が激しい様です。
あと、単に経験から推測したものですが、繁殖モノはやや綺麗になるように思います。
勿論雌雄差もあります。
体表には大型鱗が散在します。
繁殖個体や綺麗な個体であれば体色に黄色が見受けられると思います。
明らかに黄色く、分かりやすい体色をしております。しかし、中には灰色の個体も多く存在します。分布域はミナミヤモリと重なる場所もあり(特に奄美大島)、それらの地域ではミナミヤモリと区別が非常に難しい場合もあります。どのヤモリもそうですが乱獲は厳禁。採取禁止の地域も多いです。
奄美大島のアマミヤモリ
地域:奄美大島
説明:子宝島の個体群に比べて体色が黄色い個体が多いです。但し個体差、雌雄差もあります。
子宝島のアマミヤモリ(コダカラヤモリ)
地域:子宝島
説明:子宝島の個体群は基本的には灰色が基調です。
ただし個体差や雌雄差もありますし、繁殖個体に関してはかなり黄色が強く発色する個体が多いです。下の個体は繁殖個体で非常に綺麗な体色をしております。
子宝島血統
タカラヤモリ
Gekko shibatai
分布域:宝島、小島(トカラ列島)
説明:トカラ列島南部の宝島及び小島にのみ分布するヤモリ。種小名は大阪市立自然史博物館の柴田保彦氏に 献名されています。
口周辺が特に黄色く、体色はやや黄色いと感じる程度の個体が多いです。
色彩に関してはコダカラヤモリとややイメージが重なりますが口の黄色部分から容易に判別が可能です。
こちらも筆者経験に基づく推測ですが繁殖モノは非常に美しくなる気がします。
中には全身真っ黄色になる個体も存在し(勿論体色の変化はあります)、
国産ヤモリで一番きれいだと私は思いますね。
分布域が非常に非常に狭いので採取はダメですね。体表には大型鱗が散在します。
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オンナダケヤモリ
Gehyra mutilata
国内分布域:奄美諸島以南?
国外分布域:東南アジア、中国南部、マダガスカル(移入)、アメリカ(移入)、メキシコ(移入)
説明:ここからはGekko属以外のヤモリについてです。
分布域に関してははっきりとわかりませんが、奄美諸島から先島諸島にかけて広く分布しているようです。
国外では東南アジアを主として、アメリカやメキシコなどに移入しているようです。
国内の個体群も在来か古い時代の移入種かは微妙なところかもしれません。
和名は沖縄島 恩納岳(おんなだけ)に由来します。
よく、メスだけで単為生殖する種と思われがちなのですが「女だけ」ではなく「恩納岳」です。
非常にすばしっこく、捕まえるのはGekko属に比べて難しい印象です。
沖縄本島では中部に多く見られ、南部でも見られます。恩納岳も中部ですね。
筆者は那覇市街でも見かけました。
但し南部はほとんどがミナミヤモリで、次いでホオグロヤモリが見られ、本種はやや少ない印象です。北部(ヤンバル)では筆者は見かけたことがありません。
Gekko属ではないので、体形に違和感を覚える人が多いと思います。一般的にイメージするヤモリのフォルムではありません。
また、体に白い斑点模様が存在することからも判別は容易です。特に幼体時は黒色の斑点と白色の斑点が並び、非常に美しい種類です。
また、指先が比較的丸く、第一指に爪がありません。
Gekko属は人工建造物や岩場、木などに卵を張り付け、飼育下でもケースの壁面にくっつけたりするのですが本種は地中に産卵しました。
奄美大島血統
奄美大島血統 幼体
タシロヤモリ
Hemidactylus bowringii
国内分布域:奄美諸島、(奄美諸島以南?)
国外分布域:中国南部、台湾、南アジア、東南アジア
説明:主に奄美大島で見られるヤモリで、沖縄諸島や八重山諸島にも分布するとされています。
但し筆者自身、奄美大島以外での本種を目撃したこともなければ目撃談も聞きません。
本当に現在も奄美諸島以外に分布しているのかは疑問です。
他に東南アジアやその周辺などに分布すると言われ、
日本の個体群は在来か古い時代の移入かはよくわかりません。
台湾北部や中国福建省北部ではかなり個体数が多いと言われていますが国内においては非常に個体数が少ないと言えます。
オンナダケヤモリに似ていますが本種の方が指先が尖っており、第一指には爪がはっきりと存在します。
本種含むHemidactylus属はナキヤモリ属と呼ばれ、数々の種類が鳴きますが、本種はほとんど鳴きません。
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ホオグロヤモリ
Hemidactylus frenatus
国内分布域:奄美諸島以南、小笠原諸島
国外分布域:全世界の熱帯・亜熱帯地域
説明:非常に分布域の広い種類で、世界中の熱帯・亜熱帯地域に分布します。
日本では奄美諸島以南及び小笠原諸島に分布するとされており、
無人島では見られていません。
その全域で外来種である可能性が示唆されています。
尻尾に棘が無数に生えることから判別は可能ですが、
自切した後の尻尾には棘が生えません。
実は、この再生尾のホオグロヤモリこそが元々「オキナワヤモリ」と呼ばれていた種類で、学名をHemidactylus okinawensisと言いました。
それが単に再生尾のホオグロヤモリということが分かり、シノニムとなりました。
個体によっては背中に黒い線と白い斑点が見受けられ、判別が容易です。
また、基本的には人工建造物で見られ、人工物建造物が白いからか、現地では薄色状態の個体が多く見られます。
薄色の本種は模様が一切消え、真っ白に見えます。
同じ場所でミナミヤモリも多く見られることが多いですがミナミヤモリは薄色になってもやや模様が残ります。
また、体形もGekko属とは大きく異なるので、慣れれば判別は容易です。
ナキヤモリ属らしく大きな声で鳴きます。
石垣島血統
石垣島血統幼体 香港にて(本種かは自信なし)
沖縄島にて 波照間島にて
マレーシアにて 宮古島にて
ミナミトリシマヤモリ
Perochirus ateles
国内分布域:南鳥島(絶滅?)、南硫黄島
国外分布域:ミクロネシアやその周辺
説明:幻の国産ヤモリと称される種類で、体長は最大で20cm近くまでなり、国産ヤモリ最大種です。幻と呼ばれる所以はその分布域にあります。
南鳥島と南硫黄島でのみ生息が確認されていましたが和名の由来となった南鳥島では既に絶滅した可能性が高く、現在国内では南硫黄島のみ分布することになります。
南硫黄島は全域が保全地域に指定されており、全域が立ち入り原則禁止区域となっています。故に国内で見ることは非現実的です。
国外にも分布しますが、数地域では絶滅したと考えられています。
例えばグアムの個体群は既に絶滅していると考えられ、ミクロネシアやその周辺の国では分布が確認されているもののペットとして流通することはほとんどありません。
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オガサワラヤモリ
Lepidodactylus lugubris
国内分布域:沖縄諸島(大東諸島含む)、先島諸島、小笠原諸島
国外分布域:太平洋、インド洋の熱帯・亜熱帯地域
説明:沖縄諸島から先島諸島にかけて、及び小笠原諸島に分布する種類。和名は小笠原諸島に由来しますが非常に分布域が広い種類です。国内では大東諸島の個体群以外は移入種と考えられているようです。国外では太平洋の島々に分布し、中南米やインド洋にも分布しています。中南米や中国、インド洋の個体は移入とする説もあるようです。本種最大の特徴としては単為生殖するところでしょう。メスだけで殖えていきます。これが先述オンナダケヤモリが単為生殖すると勘違いさせる要因でしょう。自然下でもほとんどメスしか見られません。但し繁殖をしていくうちにオスとみられる個体が誕生することがあります。なんのバグなのか.... ヤモリの中では特に花粉や花の蜜、果実を食していると考えられます。勿論虫も食べますがやや食性が異なる為でしょうか、筆者自身、沖縄島の分布域ではミナミヤモリと同じ木で本種を見ました。
大東諸島以外のオガサワラヤモリ
沖縄島血統
大東諸島のオガサワラヤモリ
地域:大東諸島
説明:大東諸島の個体群は在来である可能性が高いということは先述しましたが、
この個体群、他の国内の個体群とは色が完全に異なります。
背中に黒い大きな斑点模様が並びます。他の国内個体群は背中に細かい黒い模様は入るもののほとんど一様に茶色です。
Hemiphyllodactylus typus typus
国内分布域:石垣島、西表島、多良間島
国外分布域:台湾、南アジア、東南アジア、オセアニア(オーストラリア等除く諸島)やその周辺
説明:国内では先島諸島に分布するヤモリで、現地でも個体数はかなり少ないです。
国外では南アジアから東アジア、東南アジア、オセアニアに至るまで広く分布します。
こちらも単為生殖が可能な種類です。
国内の個体群は1989年以降確認されており、移入とする説が有力です。
最初西表島で発見され、現在では石垣島と多良間島でも確認されています。
太平洋の小諸島の個体群も移入である可能性が高いようです。
オガサワラヤモリにやや似ていますが本種はサンショウウオのように胴が丸く細長いです。
石垣島血統
おまけ。香港で見たチュウカヤモリです。 中国南部に分布するヤモリで、日本のGekko属の連中とそっくりです。
チュウカヤモリ
Gekko chinensis