今回はタイのオオムカデ(Scolopendra属)について話していこうと思います。


タイではほぼ全域にScolopendra dehaaniが分布しています。

各地域によって体色が異なりますが、特にムカデの種同定に体色は判断材料として使えないと散々いわれてきています。


各産地のScolopendraを見ていきましょう。






ここではScolopendra dehaaniの各タイプについて。



1.チェリーレッドタイプ


まずタイ南部。マレーシアにはマレーシアンチェリーレッドという全身赤色のムカデが分布しています。タイ南部はマレーシアに近いこともあってか、同じような全身赤色の個体が多く発見されております。


但しマレーシアの個体群に比べ体節の色は濃いです。


上の個体はタイ南部トラン県産個体です。



 

トラン県はココです。







2.イエローレッグタイプ


ベトナムやタイで一番多くみられる個体群だと思います。

歩脚が黄色く、曳航肢やその周辺の歩脚は赤色になるタイプです。タイの中央部より東側に分布しているようです。




上の個体はタイ南部サムットプラカーン県産個体です。バンコクの隣です。

 

バンコクにも同じ体色の個体が分布しています。 





 

サムットプラカーン県はココです。 



また、サムットプラカーン県にはScolopendra morsitansも分布しています。

いわゆるタイワンオオムカデですね。下の個体がサムットプラカーン県産S. morsitansです。



3.レッドフレームタイプ


タイで多くみられる個体群です。歩脚は黄色で先端が赤色のタイプです。

プラチュワップキーリーカーン県周辺の、いわゆるタイの縊れている地域に多く分布しております。

こちらはミャンマーのダウェイ県産個体ですが、タイにも同じ見た目の個体が分布しています。