今回はHeterometrus longimanusの地域差についてです。

いろんな人からもっと初心者向けの情報を出せばいいのにと言われますが

しばらくは書きたいことだけを書いていきます(笑)




当店ではここ数年流通のなかったHeterometrus longimanusを去年から販売することが出来まして、今年で合計3ロカリティ販売していることになります。

さて、違いはあるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。


ここで注意をしておきたいのですが、個体差も勿論ありますので、ロカリティの特徴がはっきりと出ない個体も当然多いです。それを踏まえたうえで以下をご覧ください。

また、そのような特性上、特徴から勝手に産地を推測して流通やSNS投稿等しないようにお願い致します。産地情報は、判明している個体以外には勝手に付けてはダメです。


さて、オスのハサミに大きく差が出ると思いまして、まずは横からです。










いかがでしょうか。艶感に差が出ているのが分かると思います。

ボルネオ島 西カリマンタン州産の個体は乾燥標本を撮影したので色味が若干異なりますがそこはお気になさらず。

スマトラ島に関しては北スマトラ州及びリアウ州産は艶が強い印象ですが南スマトラ州産はやや艶が弱い気がします。ボルネオ島西カリマンタン州産は北スマトラ州及びリアウ州産と同じ感じでしょうか。ウビン島産に関しては艶消しと言っても良いくらいです。



上から見るとより分かりやすいでしょう。












上から見たときに艶感以外にも違いがあるのに気付きますでしょうか。
そうです、太さが異なっています。
まず、スマトラ島の北スマトラ州産は細く、リアウ州産はやや太い感じ、南スマトラ州産は艶感でそもそもかなり違う印象。ボルネオ島の西カリマンタン州産は膨らんでいる部分がやや長方形に近い感じですね。ウビン島産は質感の次元が違います。





実はH.longimanus、亜種が存在していた時期もありまして、分布域とシノニムについて下にまとめました。現在亜種は存在していませんが亜種分けしたくなる気持ちも分かりますね。






この様に産地によって差がでやすいH. longimanus、なかなか面白いので産地ごとに集めても良いんじゃないでしょうか。ちなみに、H. glaucusJavanimetrus cyaneusも産地による差が出ます。今後とも繁殖を頑張って複数ロカリティ出せるよう努めますので少々お待ちを!!