サソリにはヨロコビサソリ科 Chaerilidae という科が存在します。
この科は現在ヨロコビサソリ属 Chaerilus のみで構成されている科で、
ヨロコビサソリ属には現在51種類が記載されています。
以下全種リストです。
Chaerilus agilis
Chaerilus agnellivanniorum
Chaerilus alberti
Chaerilus andamanensis
Chaerilus annapurna
Chaerilus assamensis
Chaerilus borneensis
Chaerilus cavernicola
Chaerilus celebensis
Chaerilus ceylonensis
Chaerilus chapmani
Chaerilus cimrmani
Chaerilus conchiformus
Chaerilus granulatus
Chaerilus hofereki
Chaerilus honba
Chaerilus insignis
Chaerilus julietteae
Chaerilus kampuchea
Chaerilus kautti
Chaerilus laevimanus
Chaerilus laoticus
Chaerilus lehtrarensis
Chaerilus longimanus
Chaerilus mainlingensis
Chaerilus majkusi
Chaerilus neradorum
Chaerilus ojangureni
Chaerilus pathom
Chaerilus petrzelkai
Chaerilus pictus
Chaerilus pseudoconchiformus
Chaerilus pulcherrimus
Chaerilus rectimanus
Chaerilus robinsoni
Chaerilus sabinae
Chaerilus seiteri
Chaerilus sejnai
Chaerilus solegladi
Chaerilus spinatus
Chaerilus stockmannorum
Chaerilus telnovi
Chaerilus terueli
Chaerilus tessellatus
Chaerilus tichyi
Chaerilus tricostatus
Chaerilus truncatus
Chaerilus tryznai
Chaerilus variegatus
Chaerilus vietnamicus
Chaerilus wrzecionkoi
日本ではペットとしてはほとんど流通していませんが、
世界的に見ると数種類が流通しています。
流通しているのを見たことがある種類では
Chaerilus celebensis
Chaerilus cimrmani
Chaerilus stockmannorum
Chaerilus variegatus
Chaerilus sp. "Sumatra Is."
(全て上に写真掲載)
くらいでしょうか。当店ではこの度タイのトラン県から未記載種であると思われる、Chaerilus sp. "Trang" を入荷いたしました。丁度良いのでタイのChaerilus に注目していきましょう。
タイに分布しているChaerilus は以下の通りです。
(Chaerilus cavernicola トラン県? タイの分布はやや懐疑的)
Chaerilus cimrmani ペッチャブリー県、トラン県、(ナコンラーチャシーマー県?)
Chaerilus kautti プラチュワップキーリーカーン県のとある洞窟
Chaerilus neradorum サムイ島
Chaerilus stockmannorum トラン県
Chaerilus thai ナラティワート県
トラン県には(C. cavernicola)、C. cimrmani、C. stockmannorumが分布しています。
C. cavernicola はタイでの分布はやや懐疑的で、ラベルミスの可能性があります。
よって現状トラン県に分布している種類はC. cimrmaniとC. stockmannorum の2種類と考えて良さそうです。
今回トラン県から採取された成体を検視すると、両種とは形態が異なることが分かりました。よって、どちらの種類でもない可能性が高く、未記載種或いは未記載産地既知種の可能性を孕んでいます。
つまり、Chaerilusには未記載種が数多く存在する可能性もあります。また、本属は同定が非常に難しい種類が多いです。
例えば「タイ産」とだけ分かっているだけの個体は繁殖に使わない方が賢明でしょう。
最低限 県名まで判明している個体を検視し、同種の場合のみ繁殖に使うという感じで雑種誕生を防いでいきましょう。